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沖縄は梅雨明けしたそうですね。抜けるような青空を、本州ではいつ見ることができるのでしょうか…。ということで、これから暑さは本番なのですが、暦の上では21日の夏至を過ぎて、少しずつ日が短くなっていきます。そんなことを書くと、ちょっと寂しいですよね。
夏至といえば、今年も1000000人のキャンドルナイトが開催されたようです。 ワールドカップに重なってしまいましたが、それでもキャンドルを灯すイベントが全国で行なわれて、その数は昨年を大きく上回ったとか。 私は、今年は参加しなかったのですが、でも、夏至じゃなくても、この夏はキャンドルを灯す機会を多くつくりたいと思っています。 以前、シュタイナーの学校へ子どもを通わせている友人の家に遊びに行ったとき、私が子どもたちに絵本を読もうとしたら、友人が部屋を暗くしてキャンドルを灯してくれました。シュタイナー教育では、子どもたちが何かを学んだり、行なったりするときの環境というものをとても大切にしているそうです。たしかに、キャンドルを灯すことによって、お話が読まれている時間が、子どもたちにとって特別なひとときになったように思えました。 かつては日本にも、小さな灯りがつくり出す特別な時間がありました。私が小さい頃、お盆のときなどは、提灯にロウソクを灯して、茄子やきゅうりに割り箸をさしたものを馬や牛に見立てて、ご先祖様をお送りした記憶があります。それから、回り灯籠が映し出す光と影。 24時間開いている店なんてなかった頃は、夜の町は暗く、闇はいまよりもずっと深く濃いものでした。だからこそ、そうした思い出が、より鮮明に残っているような気がします。 ……という、長々しい前置きというわけではないのですが、前回の記事でお知らせした本が20日に発売となりました。 栃木県下都賀郡の藤岡町で農業を営む町田武士さんの初めての著書です。町田さんは、本書の中で、やはり昔日本にあった、特別な灯り、“蛍籠(ほたるかご)”について触れています。 「池に蛍が舞う初夏、蛍を捕まえて、蛍籠に入れ、その美しさに息を飲んだ」 蛍籠は、麦藁(むぎわら)で編んだ手製の小さな籠で、町田さんのおじいさんの世代は、麦の刈り取りが終った後に、残った麦藁で、こうした遊びのような籠を編んだのだそうです。 つかの間の夏の宵に、蛍の放つ幻想的な光を、手もとで愛でたいという“人の欲”でもありますが、なにかそこに“粋”のようなものを感じてしまいます。 この蛍籠もそうですが、町田さんは、日本の伝統的な“手仕事”の尊さについて語っています。ご自身は、最初、本を出すことにまったく乗り気ではありませんでした。でも、現代の大量生産・消費社会とは一線を画した、その暮らしそのものが、日本が失いつつある、もしくは失ってしまったものばかりだったので、どうしても、いま、本にしたいという強い思いが周囲にあったのです。 自分の思いを語ると、必ず最後に 「…なんて、偉そうなこと言っちゃいましたね」と、照れる町田さん。私は、その言葉の数々に、清流で顔を洗うような思いを幾度となく経験しました。本当にチャーミングな方で、まったく押し付けがましいところも説教じみたところもないのですが、もし、本書を読んで、そう感じることがあれば、私の力量不足にほかなりません。 ぜひぜひ、なるべくたくさんの方に読んでいただければ、幸いです。 『やまずめぐる 〜30年の農的生活を通して〜』 町田武士=著 ソニー・マガジンズ
by onnomaki
| 2006-06-23 14:06
| 深呼吸
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